宅配ボックスを設置するならダイヤル式と電気式どっちがいい?
マンションやアパートの入居者を増やすために宅配ボックスを導入したいということが多くなってきました。代表的な種類としてダイヤル式と電気式がありますが、どちらのほうが良いのでしょうか。それぞれの特徴について理解した上で、導入すべきなのがどちらなのかを詳しく考察していきます。
ダイヤル式のボックスの特徴とは
ダイヤル式の宅配ボックスは、マンションやアパートへのボックスの設置が始められた頃から使用されています。ダイヤルがボックスにそれぞれ付いているのが特徴で、駅にあるダイヤルを使うロッカーや家庭や事業所で使用されている金庫などに類似した仕組みで施錠や解錠をする仕組みになっています。
使い方の流れは以下の通りです。宅配便の配達をしてきた人が受取人の不在を確認したら、ダイヤルを使って暗証番号を指定してボックスに荷物を入れます。ボックスの種類によって荷物を入れるタイミングと暗証番号を指定するタイミングが異なるので注意が必要です。
暗証番号を指定することで扉が開くようになり、荷物を入れて閉じると施錠されて開かなくなるタイプのものもありますが、荷物を入れてからダイヤルを回して暗証番号を指定するタイプのものもあります。この後で暗証番号を配達通知書に記入し、受取人の郵便ポストに投函するというのが一般的です。
そして、受取人は配達通知書に書かれている暗証番号を、ダイヤルを使って入力することで扉を開けることができて、荷物を取り出すことができます。ダイヤル式の場合にはとてもシンプルな作りになっているので導入コストが安いのがメリットです。
また、ランニングコストについてもそれほどかからないので、管理費や共益費を高く設定する必要がありません。仕組みとしてもわかりやすいので特に入居者にとっては直感的に使える魅力があります。
ただ、デメリットもあり、郵便受けが共同スペースにあって他の人でも開けられたり中を覗くことができたりしてしまうと盗難の恐れがあるでしょう。また、ダイヤル式のロックは比較的解錠しやすいので悪意のある人による盗難が起こるリスクが高めです。
電気式のボックスに共通する特徴とは
電気式の宅配ボックスにはかなりのバリエーションがありますが、基本的にはタッチパネル式の操作盤で施錠も解錠もできるようになっています。システムによって利用する流れに違いがあるものの、概して防犯性が高いのがメリットです。典型例としては次のような流れで利用する仕組みになっています。
まず配達をする人がタッチパネルで配達先の部屋番号を指定します。すると扉の一つが解錠されるので中に荷物を入れます。そして、扉を閉めると自動的に施錠される仕組みになっていて、配達員がおこなう作業はこれだけです。
受取人は荷物が届いているのを確認したらタッチパネルで、個別に与えられた暗証番号を入力する、カードキーをかざすか挿入するなどといった方法で解錠をすると、扉を開けて荷物を取り出せます。電気式は配達をする人も取り出す人も操作が簡単なのがメリットです。
また、防犯性の高さについては解錠のための暗証番号やカードキーを受け取り品しか知らないことに加え、ダイヤルのように簡単な操作で解錠することができないことが挙げられます。
ただ、利用者としては暗証番号を忘れたり、カードキーを紛失したりすると受け取れないのが問題になりがちです。導入するオーナーとしては導入コストが高いことに加え、電気代やメンテナンス費用がかかることからランニングコストも考慮する必要があります。
どちらを選ぶべきかを考えてみよう
比較してみるとダイヤル式も電気式も一長一短だということがわかります。安全性を重視するなら電気式を選ぶに越したことはありませんが、コスト面ではダイヤル式がかなり優れています。利用者数が多いとボックスの数を増やさなければならず、コスト面の違いが大きくなるのでダイヤル式のほうがコストパフォーマンスは高いでしょう。
ただ、安全性や防犯性を重視する考え方が広まってきているのも確かです。特に郵便受けの防犯性が完璧とは言えない場合には電気式にしておくのが安全策でしょう。既存設備や入居者層によってどちらが良いかは異なるので、メリットを生かしつつデメリットが致命傷にならないほうを選ぶのが大切です。
宅配ボックスを導入するときには昔ながらの安価なダイヤル式と防犯性と利便性の高い電気式のどちらが良いかを判断するのが難しくなりがちです。入居者の満足度を高めて入居率を高められるようにしつつ、コストを抑えるという考え方が必要になります。
物件や入居者の状況によってコストパフォーマンスには違いがあるので、ここに挙げたメリットがいかに利益につながるか、デメリットが損失につながるのがどの程度かを詳しく評価して決めるようにしましょう。