宅配ボックスは盗難される可能性がある?!宅配ボックスの防犯対策
近年通販で買い物をする機会が激増して、不在時に受け取れると需要が増えている「宅配ボックス」。その一方で宅配ボックスの中の荷物が盗難に遭うケースも報告されています。今回は宅配ボックスの防犯対策や、いざという時の補償の有無についてお伝えします。
宅配ボックスの窃盗問題が多発
もともと集合住宅、とくに分譲マンションを中心に設置された宅配ボックス。共有部分に設置された宅配ボックスに宅配業者が荷物を届け、暗証番号を入力。その暗証番号を不在票に記載して個人宅のポストに投函しておくことで、住人が帰宅時に暗証番号を入力して受け取れるシステムです。
ところが郵便受けに確かに不在票があり「宅配ボックスに配達しました」と記載があるのに、宅配ボックスには何も入っていないという盗難の報告が増加しました。
また個人で取り付けた箱型の宅配ボックスでは、ボックスごと盗まれる・鍵をこじ開けられるなどの盗難事例も全国で相次いで報告されています。盗難の被害に遭いやすい建物には、共通点があります。平日の日中に不在がちで宅配ボックスの利用頻度が高い、単身者が多く住むワンルームマンションや、管理人がいない・オートロックがない防犯対策が乏しいマンションなどが狙われやすいです。
宅配ボックスの防犯対策
便利な反面、盗難のリスクがある宅配ボックス。設置を検討している方は盗難被害が心配ですよね。ここからは宅配ボックスの防犯対策について4点ご紹介していきます。
IoT宅配ボックスの導入
近年、ボックス内にカメラを設置し、スマホで確認することができる「IoT宅配ボックス」というものが登場しています。防犯カメラなどを設置できない集合住宅の場合は、IoT宅配ボックスの導入を検討してください。個人で設置できる小型タイプのものは6万円前後~販売されています。別途工事費が必要なものもあります。
防犯カメラの設置
戸建て住宅や分譲マンションの場合は、防犯カメラを設置して盗難対策ができます。万が一宅配ボックスの中の荷物がなくなった場合でも、防犯カメラの映像を警察に提出して犯人の追及が可能になります。しかし窃盗犯の中にはカメラの向きを変えたり、壊したりする者もいます。しっかりと設置できるタイプのものや、壊されてもデータが残せるよう、SDカードではなくクラウドでデータをバックアップできるタイプのカメラがおすすめです。
施錠方式をセキュリティレベルの高いものにする
宅配ボックスにもさまざまな種類があり、南京錠タイプのもの、パスワード・暗号で施錠するもの、スマホを使って施錠するものなどがあります。鍵のタイプの宅配ボックスは、バールなどで鍵自体を壊されてしまう可能性が高いので、スマホを使って解錠する電気制御タイプのボックスを選ぶと防犯性能が高いです。しかし金額が高くなり設置工事が必要となるため、予算に合わせて検討してください。
防犯対策サービスを追加する
宅配ボックスを制作するメーカー側も防犯対策を重要視し、無料で防犯対策サービスを付帯するメーカーも増えています。
また、保険会社と共同で「置き配保険」を有料で提供するメーカーもあります。あるメーカーでは30日間100円という保険料で、最大3万円までの補償が受けられるプランを提供しています。すでに宅配ボックスを持っている場合、後からセキュリティ会社で提供されている防犯サービスを付帯することも可能です。
盗まれた荷物は補償してもらえる?
宅配ボックスを利用していて、万が一荷物が盗難に遭った場合補償はしてもらえるのでしょうか。まず宅配業者に対してですが、商法第577条で「運送人は、荷送人から荷物の受取・引渡し・保管・運送に関して注意を怠らなかったと証明出来ない場合は、荷物の損害賠償責任を逃れられない」と定められており、宅配ボックスへ荷物を届けた証拠があれば宅配業者へ補償を求めることはできません。
家財保険を使って補償の申請をしても、盗難にあった場所が室内ではなく「共有部分」のマンション入り口や廊下部分である場合には、保険の適用外となるケースが多いです。
では購入元の通販サイトの補償はどうでしょうか。置き配を積極的におこなっている大手通販サイトでは、状況に応じて商品の再送や返金の補償対応を実施しています。諦める前にカスタマーセンターに問い合わせをしてみましょう。最後に宅配ボックスメーカーですが、前述した通り補償サービスや保険に事前に加入しておくことで、盗難された場合の補償がつく場合があります。
今回は宅配ボックスの防犯対策についてお伝えしました。導入する際にセキュリティレベルの高いカメラ付きIoT宅配ボックスを購入する、防犯カメラを設置する、保険に加入しておくなど個人でもできる範囲の防犯対策があります。せっかく購入した大切な荷物を守るためにもぜひ事前に対策することをおすすめします。